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最高裁判所第三小法廷 昭和23年(オ)108号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告理由第一点について。

訴訟代理人の故意又は過失に原因して不変期間を遵守することができなかつた場合には、たといそれが当事者本人自体の過失に基く場合でなくとも、これを以て、民事訴訟法第一五九条にいわゆる当事者がその責に帰すべからざる事由により不変期間を遵守すること能わざりし場合に、該当するものということはできない(大審院昭和五年(オ)第二九八号同年六月一八日民事部判決参照)。これを本件について見るに、上告人等が本件第一審の判決に対する控訴期間を徒過したことは記録上明であつて、その理由が上告人等の第一審訴訟代理人小河虎彦等の故意又は過失に基因し、同人等より上告人等に対し右判決正本の送達があつた事実を通知しなかつたためであることはその主張するところであるから、その事由によつては本件控訴の追完を許されないこと前段の説示に徴し明白である。論旨はこれと反対の見地に立つて原判決を非難するもので上告適法の理由とならない。(その他の判決理由は省略する。)

以上の理由によつて民事訴訟法第四〇一条第九五条及び第八九条に従い主文の通り判決する。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介)

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